冪乗演算子 【exponentiation operator】 累乗演算子 / 指数演算子 / べき乗演算子
概要
冪乗演算子(exponentiation operator)とは、プログラミング言語などに用意された算術演算子の一つで、数値の冪乗(累乗)を求めるもの。「aのb乗」(aをb回掛ける)を計算させることができる。2つの数値を用いて を求めるための演算子で、古くはBASIC言語が「^」(ハット、キャレット)を用いて「a^b」のように書き表し、現在でもVisual Basicは「^」を用いる。他に、数式を含む論文などの記述に用いられるマークアップ言語の「LaTeX」や、表計算ソフトのMicrosoft Excelなどが「^」で冪乗を表す。
一方、C言語には冪乗演算子が用意されていなかったため、C++言語やJavaなど、C言語から基本的な記法や演算子を受け継いだ多くの言語にも冪乗演算子は用意されず、冪乗は標準ライブラリ関数などを用いて計算する。スクリプト言語のPerlやPython、PHP、Rubyなどは「**」を用いて「a**b」のように表記し、JavaScriptにもES6(ES2015)で「**」が導入された。
多くの算術演算子は優先順位が同じ演算子が2つ以上並んでいるとき左側から順に評価する「左結合」だが、一部の言語では数学の を「aの(bのc乗)乗」と解釈することとの類似性から、冪乗演算子を右側から順に評価する「右結合」として扱う。例えば、Visual Basicの「^」は左結合であるため「a^b^c」は「(a^b)^c」と解釈されるが、JavaScriptの「**」は右結合であるため、「a**b**c」は「a**(b**c)」と解釈される。
(2024.6.28更新)