シンタックスシュガー【syntax sugar】糖衣構文
別名 :syntactic sugar/構文糖/構文糖衣
概要

具体的には、変数やデータ構造の宣言、関数の定義や呼び出しなど、記述頻度の高い処理を特定の記号や短い構文で置き換えられるようにしたものが多い。例えば、JavaScriptで配列を宣言する場合、「let a = new Array();」と書く代わりに「let a=[];」と記述できる。
コンパイルや実行の段階では、シンタックスシュガーはより基本的な構文へ自動的に変換される。コンピュータが実行する処理の内容や動作速度は変わらず、あくまで人間が書き・読みやすくするための仕組みである。シンタックスシュガーを活用することで記述量が減り、コードの意図を読み取りやすくなる場合がある。
大規模なプログラムの開発では同じ処理を繰り返し記述する場面が多いため、簡潔な表現は保守性や作業効率の向上につながることがある。一方で、簡略化された構文に慣れていない利用者には理解しづらいこともあり、内部動作が見えにくくなる場合もある。読みやすさを優先して通常の構文を推奨する開発現場もある。
この概念はコンピュータ科学者のピーター・ランディン(Peter J. Landin)が1964年に提唱した。「苦い薬を飲みやすくする砂糖」(糖衣)になぞらえた命名で、複雑な記述を扱いやすくするという意味合いを持つ。ここから派生して、記述を不必要に難しくする構文を皮肉った「シンタックスソルト」(syntax salt)という造語もある。今日では主要なプログラミング言語のほとんどに何らかのシンタックスシュガーが組み込まれており、言語のバージョンアップに伴って新たな構文が追加されることも多い。
(2026.5.31更新)