末尾カンマ 【trailing comma】 最後のカンマ

概要

末尾カンマ(trailing comma)とは、コンピュープログラムで配列関数引数などカンマ区切りで要素を列挙する際、の末尾をカンマ(,)で終える記法。許容する言語としない言語がある。

例えば、JavaScript配列を宣言する際に var a=[ 1, 2, 3, ]; と書くように、カンマ区切りの要素列の末尾をカンマとする書き方を指す。オブジェクトであれば var o={ "foo":1, "bar":2, "buz":3, };、関数引数であれば function f( p1, p2, ){…} のような書き方である。

このような書き方を許容するか、文法エラーとして拒絶するかは言語仕様によって異なる。許容する場合、末尾のカンマは単に無視してカンマが無い場合と同様に扱うことが多いが、a=[ 1, 2, 3, , ] のように複数並べるとその数だけ空要素を定義するといった挙動になっている言語もある。

末尾カンマが許容されない場合、末尾の要素以外の後にはカンマが付き、末尾の要素だけカンマが付かないことになるため、プログラムコード上で一行に一つずつ要素を列挙しているような場合、要素の追加や順番の入れ替えに伴ってカンマの追加や削除、移動などを慎重にわなければならない。末尾カンマが許可されていれば、すべての要素の末尾にカンマを付けてよいため、追加や並べ替えがあってもカンマの編集をわなくてよい利点がある。

末尾カンマはPerlRubyPythonPHPC#KotlinSwiftなどで利用でき、JavaScriptは2009年のECMAScript 5(ES5)以降で利用できる。JSONは古いJavaScriptの仕様に基づいて独立した規格として定義されたため、現在も末尾カンマは許容していない。

(2024.3.19更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる