誤り訂正符号 【ECC】 Error-Correcting Code / Error-Correction Code

概要

誤り訂正符号(ECC)とは、データを伝送・記録する際に発生する誤りを受信や読み出しの際に検出し、訂正することができるように付加される符号。元のデータから一定の計算手順に基いて算出し、データと共に伝送・記録する。

データ記憶装置に書き込んだり、電気回路や通信回線などを通じて伝送すると、様々な理由で意図せずデータの欠落や改変が起こることがある。これを完全に防止することは困難であるため、読み出しや受信の際に誤りが起きたかどうかを検知し、ある程度の誤りは訂正することができるようにするのが誤り訂正符号である。

データを一定の長さごとに区切り、一定の手順で計算をって誤り訂正符号を算出し、元のデータに付加して一緒に記憶媒体への書き込みや回線を通じて送信をう。読み込みや受信の際にはデータ符号を分離し、一定の計算手順でデータに誤りがないか検証し、誤りが検出されたら符号を元に復元を試みる。

誤り訂正符号には様々な方式があるが、どのような量・種類の誤りも完全に検出・訂正できる符号はない。ある長さあたり何ビットまでの誤りを検出可能か、何ビットまでの誤りを訂正可能かが符号により決まっている。一般に、検出可能なビット数は訂正可能なビット数よりも多い。

方式によっては符号を長くすれば検出・訂正できる誤りも増えるが、符号の算出・検証のための計算量が増え、記録や伝送の際に誤り訂正符号のために余計に費やされる容量や帯域オーバーヘッド)も大きくなる。コストや誤りの発生率などを勘案して適切なものが選ばれる。

著名な誤り訂正符号には「ハミング符号」や「水平垂直パリティ符号」「リードソロモン符号」「BCH符号」などがある。誤りを訂正することはできず、検出のみが可能な符号もあり、「誤り検出符号」(EDC:Error-Detecting Code あるいは Error-Detection Code)と呼ばれる。

(2023.9.3更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる