値【value】
概要

プログラム上での値の表れ方には大きく二種類ある。一つは、「10」「3.14」「"abc"」のようにソースコード中に直接書き込まれた「リテラル」(literal)あるいは「即値」(immediate)である。もう一つは、「a + b」や「s + "xyz"」のように式を評価・計算した結果として得られるものである。どちらも等しく値として扱われ、変数への代入や関数への引数渡しなどに用いられる。
値は「変数」(variable)に代入して保持したり、変数から取り出して演算に用いたりできる。多くの言語では、変更を想定しない値に名前を付けて「定数」(constant)として宣言することもできる。コンピュータの内部では、すべての値は何らかのビット列としてメモリ上に格納されるが、どのようなビット列がどの値に対応するかは、言語や処理系、データ型によって異なる。たとえば整数の「1」と浮動小数点数の「1.0」は、人間にとって同じ数値の「1」に見えても、メモリ上では異なるビット列で表現される。
データ型によって、値が取りうる範囲や精度、許容される演算の種類も変わる。整数型であれば加減乗除などの算術演算が基本となり、文字列型であれば連結や分割、置換といった操作が主体となる。型の異なる値同士を演算しようとした場合、言語によっては暗黙的な型変換が行われることもあれば、型エラーとして処理が中断されることもある。
なお、英語の “value”という語は、IT分野においては主にこの「データとしての値」を意味するが、ビジネスや一般的なコミュニケーションの場では、価値、価格、評価、費用対効果といった意味合いで用いられることが多い。カタカナで「バリュー」と言い表す場合は、後者の企業の提供価値や製品のコストパフォーマンスなどを指すことが一般的であり、文脈に応じた使い分けが必要となる。