PL/I 【Programming Language/I】

概要

PL/I(Programming Language/I)とは、主に大型コンピュータソフトウェア開発などに用いられた、汎用手続き型プログラミング言語の一つ。最初の仕様は1964年に米IBM社が公開した。

それまで適用分野ごとに分かれていた主要なプログラミング言語の特徴を一つにまとめ、様々な分野で利用できる汎用性の高い統一的な言語となることを目指して仕様が検討された。科学技術計算などで用いられていた「Fortran」と、会計処理など業務用ソフトウェア開発に用いられた「COBOL」、コンピュータ科学の研究のために考案された「ALGOL」の特徴を取り込んでいる。

1970年代頃から開発元のIBM社が特に力を入れ、同社の大型汎用機メインフレーム)など主に大型コンピュータソフトウェア開発で利用された。UNIXの着想の元となった「Multicsマルティクス」の開発に用いられたことでも知られる。標準規格はECMA(現Ecma International)とANSIが共同で1976年に策定し、これを元にISO標準が1979年に発行された。

あらゆる用途をカバーする万能のプログラミング言語を目指したが、あまりに巨大で複雑な言語仕様のため満足な性能の開発ツールなどを様々な環境向けに用意することができなかった。時代が下ると新たに優れた言語が現れたり既存の言語の仕様が改良されたこともあり、当初の目論見のように広く普及するには至らなかった。

(2024.1.15更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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