半加算器 【half adder】 ハーフアダー / 半加算回路
概要
半加算器(half adder)とは、2進数の加算(足し算)を行う論理回路(加算器)のうち、下の桁からの繰り上がりを考慮せず、単純に二数の和のみを求める回路のこと。より複雑な加算器の構成要素となる。加算を行う回路を加算器というが、半加算器は2つのビット列の同じ桁の値同士を加算し、その桁の加算後の値と、上位桁への繰り上がりの有無を表す「キャリー」(carry out)の2つを出力する。キャリー出力は繰り上がりがなければ「0」、あれば「1」となる。
2つのビットが両方「0」ならその桁の値として「0」(0+0=0)を、片方が「1」なら「1」(0+1=1, 1+0=0)を出力するが、両方「1」ならば結果は「10」(1+1=10)と2桁の値になるため、その桁の値として「0」を、キャリーとして「1」を出力する。キャリーは隣の上位桁の全加算器に入力される。
半加算器は基本的な論理回路の組み合わせで構成でき、AND回路2つ、OR回路1つ、NOT回路1つで作ることができる。XOR回路が利用可能であれば、XOR回路1つとAND回路1つで構成することもできる。
半加算器は下の桁からの繰り上がりを考慮しないため、そのままでは最下位桁の加算にしか使えない。下の桁からの繰り上がりを入力として受け付けるものは「全加算器」(full adder:フルアダー)と呼ばれ、2つの半加算器とOR回路により構成することができる。最下位桁以外の加算には全加算器が用いられる。
(2023.8.22更新)