入力が一つの単項演算 として、入力値の反対の値を出力する「否定」(NOT A:Aではない)がある。入力が二つの二項演算 には、どちらかが真なら真を出力する「論理和 」(A OR B:AまたはB)、両者とも真の時のみ真を出力する「論理積 」(A AND B:AかつB)、両者が異なる時に真を出力する「排他的論理和」(XOR:eXclusive OR)がある。
電子回路などでは、論理和 と否定を組み合わせた「否定論理和 」(NOR :Not OR )、論理積 と否定を組み合わせた「否定論理積 」(NAND :Not AND )が用いられることもある。排他的論理和と否定を組み合わせた「否定排他的論理和 」(XNOR )は値が同じとき真、異なるとき偽となるため「同値」(EQ:equal)とも呼ばれる。
NOT 否定
AND 論理積
OR 論理和
XOR 排他的論理和
NAND 否定論理積
NOR 否定論理和
XNOR 否定排他的論理和
三項以上を計算する際は二項ずつの計算を繰り返すことで結果が得られる。その際、四則演算 のように交換法則や分配法則 、結合法則、ド・モルガンの法則などが成り立つ。すべての論理演算はNOT、AND、ORの三つの組み合わせで構成できるが、この三つはすべてNAND の組み合わせで構成でき、NAND だけですべての論理演算を記述できることが知られている。
コンピュータ では真偽値自体の演算(プログラミング言語におけるブール型 の値の演算など)の他に、真を1、偽を0に置き換えてビット 間で論理演算を行うことがある。ビット 列について論理演算を行う場合は二つのビット 列のぞれぞれ対応する位置にあるビット 同士で論理演算を行う。
このような演算方式を真偽値 の論理演算と区別して「ビット演算 」(bitwise operation )と呼ぶこともある。なお、ビット演算 には論理演算に相当する演算以外にも、シフト演算 やローテート演算などビット 列を左右に移動する操作もある。
プログラミング言語では算術演算 などと並んで最も基本的な演算の一つとして論理演算が用意されていることが多く、論理演算子 によって式を記述する。演算子 は「&&」のような記号を用いる場合と、「and」のような英単語をそのまま用いる場合がある。C言語の「&」と「&&」のように、論理演算と対応するビット演算 にはそれぞれ別の演算子 が与えられていることが多い。