NAND回路 【NAND gate】 NANDゲート / 否定論理積回路
概要
NAND回路(NAND gate)とは、基本的な論理回路の一つで、二つの入力と一つの出力を持ち、入力が両方「H」(High:高電圧)のときのみ出力が「「L」(Low:低電圧)となり、それ以外の場合は出力が「H」となるもの。論理積(AND)の結果を反転(NOT)した否定論理積(NAND)演算を行う回路である。正論理の場合、入力の片方あるいは両方が「L」のときに出力が「H」となり、両方「H」のとき「L」となる(負論理の場合はこの逆)。「H」と「L」を2進数の「1」と「0」に対応付ければビットNAND演算を、真理値の「真」(true)と「偽」(false)に対応付ければ論理演算のNAND演算を行うことができる。
現在の入力のみから出力が決まる組み合わせ回路の一つで、最も基本的な論理ゲートの一つである。回路図に用いる記号をIEC、MIL/ANSI、DINの各規格がそれぞれ定めており、JIS規格はIEC記号に準拠している。
「機能的完全性」(functional completeness)を備え、AND回路やOR回路、NOT回路などの基本的な論理ゲート、あるいは加算器などのより複雑な回路を含め、任意の論理回路はNAND回路のみの組み合わせで実装できることが知られている。また、他の論理ゲートより少ない半導体素子(トランジスタなど)で実装できるため実用上もよく利用される。
(2023.5.17更新)