プライバシーシャッター 【privacy shutter】

概要

プライバシーシャッター(privacy shutter)とは、ノートパソコンなどの内蔵カメラに組み込まれた機構の一つで、開口部をカバーで塞いで物理的に撮影できないようにするもの。レンズの保護や端末の乗っ取りによる不正な撮影を防ぐために用いられる。

一般的なノートパソコンや類似する形態の情報機器には、液晶ディスプレイの上部に利用者側を向いた小さなWebカメラが内蔵されており、ビデオ通話やビデオ会議の際に利用者を撮影する用途に用いられている。

プライバシーシャッターはカメラのレンズを覆うように閉じることができるカバーで、脇にあるスライダーを指で横滑りさせることで開いたり閉じたりすることができる。閉じるとレンズをカバーが覆った状態となり、カメラを起動しても「正常に動作しているが何も映らない」状態となり、映像は真っ暗になる。

サイバー攻撃の手口の一つに、マルウェア不正アクセス端末を乗っ取り、利用者に気づかれないようにカメラを起動して利用者の様子を撮影するという手法がある。人に見られたくない姿が写ったら脅迫して金銭を要求する算段である。プライバシーシャッターはソフトウェアから操作することはできず、利用者が本来の使用時以外は閉めておけば、万が一乗っ取られた場合でも撮影されずに済む。会議や配信によるカメラ使用後の「切り忘れ」による映像流出も防止することができる。

なお、ソフトウェア側では開閉状態も知ることができず、閉じたままカメラを使おうとすると「カメラは正常に稼動しているが映像は真っ暗」という状態になるため、存在を知らなかったり意図せず閉まった場合には、プライバシーシャッターが原因であることになかなか気付かなかったり、自力では解決できなくなる場合もある。

(2024.9.4更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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