BCC 【Blind Carbon Copy】 ブラインドカーボンコピー

概要

BCC(Blind Carbon Copy)とは、電子メールの宛先指定の一種で、他の受信者に知らせずに複製を送信する先を指定できるもの。送信者がメールの作成・送信時に指定し、複数のアドレスを指定することもできる。

通常、電子メールで宛先を指定するには「To」(「~へ」の意味)と呼ばれる項目に相手のメールアドレスを記載するが、BCC欄にもアドレスを記入することができ、同じメッセージが複製されてそちらにも届けられる。

CCとの違い

複製が送信されるという意味では「CC」(Carbon Copy)欄も同じ機能だが、CC欄に記載したアドレスがすべての受信メッセージにそのまま掲載されるのに対し、BCC欄の内容は受信直前にメールサーバ側で削除され、受信者側には誰をBCCに指定したかは分からないようになる。

主な用途と難点

BCCによるアドレスの指定は、複数の受信者が互いに無関係な場合など、受信者に他の受信者のアドレスを知らせたくない場合や、顧客への返信を上司に報告する場合など、複製を別のアドレスに送っていることを相手が知る必要がない、または知られたくない場合に用いられる。

名称や操作画面上での記入欄の近さなどから、CC欄と取り違える記入ミスが起こりやすく、同じ文面を複数の関係者に送ろうとして誤ってアドレスCCに指定してしまいメールアドレスを漏洩させてしまう事故が後を絶たない。

また、受信者は送信者が告げない限りBCCで第三者に複製が送られていること自体に気付かない。個人的な内容のやり取りや対話的な内容の場合は後で第三者にも送信されていたことが露見すると人間関係上のトラブルに発展することがあるため、事前に断っておくなどの配慮が必要になることがある。

語源

“Blind Carbon Copy” とは「目に見えないカーボン複写」を意味する。カーボン複写とは、記入用紙の裏がカーボン紙になっており、ペン先を強く押し当てるように書き入れることで下に重ねられたもう一枚の用紙に複写される仕組みを指す。このような自動的な複写を、受信者に見えないよううという意味でこのように呼ばれる。

(2020.12.8更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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