ウィザード【wizard】
概要
ウィザードとは、魔術師、達人などの意味を持つ英単語。ソフトウェアの分野では、利用者に一つずつ質問や設定項目を提示して選択や入力を促し、対話的に処理を進める操作方式のことを指す。
ソフトウェアの導入(インストール)や新規ファイルの作成など、必要な設定項目や入力すべき情報が複数(しばしば多数)ある場合によく用いられる操作画面で、入力事項を案内と共に一度に一つだけ画面に表示し、利用者がそれに答えると画面が切り替わって次の項目に進む、という操作を繰り返す。
利点
どんなに項目が多かったり入力内容が複雑でも、利用者は一度に一つの項目のみ答えればよいため、いっぺんにすべての項目を表示するよりも体感的な難解さを軽減することができる。初心者やコンピュータの操作に熟達していない利用者にとって特に使いやすい方式とされる。
難点
一方、利用者が重視しない項目でも回答しないと次に進めず、途中で中断したり以前の項目に引き返すと途中まで入力した内容がやり直しになる場合があるなど、操作が煩わしいと感じる利用者もいる。後から一部の設定のみを変更するといった操作にも向いていない。
また、一度に一つの項目しか表示しないため、操作の全体像や現在の進捗が直感的に分かりにくいという難点もある。この点については、「3 / 10」のようにステップ数を表示したり、プログレスバーなどで進捗をパーセンテージで示すなどの改善も行われている。
呼称
「ウィザード」という呼称は米マイクロソフト(Microsoft)社の製品でよく用いられる。同社では1990年代前半からこの機能を製品に組み込んでいたとされる。米アップル(Apple)社ではmacOS(Mac OS X)などにおける同様の機能を「アシスタント」(assistant)と呼んでいる。オープンソースソフトウェアなどでは「ドルイド」(druid)という呼称も見られる。
(2025.11.8更新)
