クリティカルパス 【critical path】 最長経路 / 臨界経路
概要
クリティカルパス(critical path)とは、プロジェクトの各工程を、プロジェクト開始から終了まで「前の工程が終わらないと次の工程が始められない」という依存関係に従って結んでいったときに、所要時間が最長となるような経路のこと。その長さがプロジェクトの期間を表している。プロジェクトを構成する工程をすべて列挙し、それぞれの所要時間を見積もって、各工程の前後関係(依存関係)に従って連結していくと、必ずしも一直線に繋がるとは限らず、開始から終了までの間に複数の経路(工程の組み合わせ)が現れることがある。
このうち、経路内の工程の見積もられた所要時間の合計が最も大きいものがクリティカルパスであり、プロジェクト全体の所要時間を決定付けている。なぜなら、他の経路上の工程をいくら短縮しても、最長であるクリティカルパス上の工程がすべて終わるまでプロジェクトは終了しないからである。
プロジェクトの期間を短縮したり遅れを取り戻したければ、まずはクリティカルパスの工程の改善を考える必要がある。また、クリティカルパス内の工程が遅れればプロジェクト全体の遅延に直結するため、十分な資源を投じて遅延が生じないよう重視すべきとされる。
クリティカルパスを見つけるには、プロジェクトの工程をガントチャートやPERT図などに図示し、それぞれの工程の所要時間と依存関係を書き入れて最長となる経路を見つけ出す。現代ではプロジェクト管理を支援するソフトウェアを用いて算出を行うのが一般的である。クリティカルパスに基づいてスケジュールの策定やプロジェクト管理を行う手法を「クリティカルパス法」(CPM:Critical Path Method)という。
なお、プロジェクトが進行するとクリティカルパス上の工程が短縮されて必要な期間が短くなることがあるが、別の経路が新たにクリティカルパスとなる場合がある。工程の進行具合が当初の予定と異なっている場合は、クリティカルパスが元の経路から変わっていないか随時確かめる必要がある。
(2023.12.2更新)