動的SQL 【dynamic SQL】
概要
動的SQL(dynamic SQL)とは、ソフトウェアの実行時に動的にSQL文を作成してデータベース管理システム(DBMS)へ発行する方式。開発時に記述したSQL文を実行する静的SQLと対比される。データベースに対して利用者からの入力や外部との通信内容などを反映した問い合わせや操作を行いたい場合に用いられる方式で、あらかじめ決まった文を実行するだけの静的SQLに比べ自由度が高いが、プログラム実行時にSQL文の解釈を行うため処理性能では劣る。
プログラム中で文字列操作によりSQL文を組み立て、DBMSのAPIなどに渡す方式がよく用いられるが、検索語などとして任意の文字列を利用者が入力可能な仕様にすると、攻撃者が入力値としてSQL文の断片を注入して不正に操作してしまうSQLインジェクションの危険がある。
このため、単純な文字列連結などで実行時にSQL文を作り出すのではなく、開発時にSQL文の雛形を作成・登録しておき、入力値の統合はデータベースエンジン側に行わせるプレースホルダ(バインド機構)やプリペアードクエリ(プリペアードステートメント)のような仕組みを利用すべきであるとされる。
(2021.12.24更新)