キャリア 【carrier】
概要
キャリア(carrier)とは、運ぶ人・物、伝える人・物、などの意味を持つ英単語。一般の外来語としては台車や航空会社、保菌者などの意味で用いられることが多い。また、“career” のカタカナ表記もキャリアだが、これは職業、職歴などの意味である。通信キャリア
通信業界では回線事業者のことを「通信キャリア」(telecommunications carrier)、または単にキャリアという。
自ら回線網や通信設備・施設、無線局免許などを保有し、加入者に回線を貸与して通話やデータ通信などの通信サービスを提供する事業者を指す。日本ではNTT東日本やNTT西日本、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、電力系通信事業者、ケーブルテレビ事業者などが該当する。
通信事業者の中には回線網などの設備をキャリアから借り受けて自社の通信サービスを展開する事業者もある。ISP(インターネットサービスプロバイダ)やMVNO(Mobile Virtual Network Operator)などが該当する。
搬送波
通信工学の分野では、二地点間を結び信号を伝える電流や光、電波などを「搬送波」(carrier wave)というが、これをキャリアということがある。
伝送したい情報を周期的な物理現象の信号として表したものを基底帯域(ベースバンド)信号というが、現代の通信システムの多くはこの信号を一定の変換方式でより高周波の搬送波に乗せて機器間で送受信する。送信側で搬送波へ変換する過程を「変調」(modulation)、受信側で基底帯域に戻す過程を「復調」(demodulation)という。
電荷キャリア
半導体の分野では、半導体内部で電荷の移動を担う自由電子や正孔(結晶中の電子の欠落)のことを「電荷キャリア」(charge carrier)、または単にキャリアという。「担体」と訳されることもある。
半導体は材料となる物質や添加物の種類によって内部の構造が異なり、自由電子がキャリアとなって負(-)の電荷を運ぶタイプのものを「n型半導体」、正孔がキャリアとなって正の電荷を運ぶタイプのものを「p型半導体」という。