ターミナルアダプタ 【TA】 Terminal Adapter
概要
ターミナルアダプタ(TA)とは、通信回線の終端に接続され、コンピュータや通信機器を回線に接続できるようにする機器。特に、ISDN回線の加入者宅側の末端に接続され、コンピュータやアナログ電話機などを通信できるようにする機器のこと。ISDNは電話用のメタル回線による公衆回線網でデジタルデータを送受信できるようにする技術で、1990年代に次世代の通信ネットワークとして各国で導入が進んだ。日本では旧NTT(分割前)が「INSネット」の名称で展開し、当時のパソコン通信や初期のインターネット接続などに用いられた。
ターミナルアダプタはISDN回線でデータ通信を行う際に必要な通信機器で、公衆回線に接続してデータ通信を行う機能と、アナログ電話回線用の機器を接続するポート(コネクタ)、パソコンなどを接続してデータ通信を行なうポートを備える。各機器がISDN回線を通じて外部と通信できるよう、信号の変換などを行なう。
LANポート(Ethernet)などで構内の有線LANに接続し、同じLANに存在するコンピュータなどからISDN回線を通じて外部と通信できるようにする中継機能を持った機種もあり、「ISDNルータ」(ISDN router)と呼ばれた。
本来はISDN回線とターミナルアダプタの間には「DSU」(Digital Service Unit)という機器があり、ISDN用通信機器の一つとしてDSUにターミナルアダプタを接続して通信する形態だったが、ターミナルアダプタ以外のISDN用機器(ISDN専用電話機、G4 FAXなど)がほとんど普及しなかったため、DSUとターミナルアダプタが一体化した機器が一般的となっていった。
(2024.7.7更新)