FAXモデム 【ファックスモデム】
モデムは信号の相互変換を行う装置で、アナログモデムはデジタル信号を電話回線を流れる音声信号に変換し、遠隔の機器同士がデータ通信できるようにする。初期のインターネット接続などに用いられたが、光回線やモバイル回線の普及により現在はデータ通信用途としてはほぼ使われない。
ファクシミリ(FAX)も同じ原理でデジタル化した画像データを音声信号に変化して電話回線で送受信する仕組みで、FAXモデムはモデムとしての機能とFAXの送受信機としての機能の両方を備えている。FAX機そのものとは異なり画像の読み取りや印刷はできず、コンピュータが肩代わりする。
FAXモデムには電話線を差し込むRJ11モジュラージャックとコンピュータ側の接続ケーブルや端子があり、電話回線とコンピュータの間に設置する。古い機種はパソコンなどとRS-232(シリアルケーブル)で接続するが、現在も使用可能な機種はUSB接続か、シリアル-USB変換コネクタを介して接続する。
コンピュータ側の制御ソフトを通じて指定した画像や文書などを相手先に送信することができる。待ち受け機能を利用してFAX端末からの着信を受け付け、画像データとして保管することもできる。紙面の読み取りや印刷を行うにはコンピュータに別途イメージスキャナやプリンタ、両者の複合機などを接続する必要がある。
パソコン用のFAXソフトとしては単体で販売されているソフトやFAXモデムに同梱されているソフトが利用できるほか、Windowsであれば「Windows FAX とスキャン」という標準ソフトを利用することもできる。
(2022.5.24更新)