パケット交換網 【packet-switched network】
概要
パケット交換網(packet-switched network)とは、通信網の種類の一つで、伝送するデータをパケット(「小包」の意)と呼ばれる小さな単位に分割し、それぞれ個別に送受信する方式のもの。広義にはパケット通信方式を利用したインターネットなどのコンピュータネットワーク全般を含むが、狭義には、通信事業者が顧客への通信サービス提供のために構築・運用する、パケット通信方式の広域通信網のことを意味することがある。
アナログ電話回線網のような回線交換網(circuit-switched network)に比べ、通信する二地点間の経路上の回線や交換機を占有しないため、設備を効率よく利用でき、異なる通信媒体や方式、速度の回線や機器間を接続しやすい。一方、経路の途中で混雑する回線があると通信が遅延したり中断することがあり、通信速度や遅延時間の保証などは行いにくい。
パケット交換サービス (packet-switched service)
通信事業者が構築したパケット交換網を利用して提供される、専用の通信機器や通信手順(プロトコル)を用いたデータ通信サービスのこと。
インターネット普及以前の1990年代頃まで一般的だったサービスで、主に企業の拠点間のデータ通信などに用いられた。専用の通信手順によってデータを一定の大きさのパケットに分割し、途中の回線を専有せずに一方から他方へ転送する。
回線交換方式と異なり回線は常に接続された状態で運用され、通信時間ではなく転送したデータ量に応じて課金される。日本ではNTT(当時)のDDX(DDX-P/DDX-TP)やINS-P、KDD(当時)の国際パケット交換サービスVENUS-Pなどが提供されていた。
(2018.5.2更新)