SoI【System of Insight】
概要

情報システムの分類では、業務上の取引や事実を正確に記録することを目的とする「SoR」(System of Record)と、人と人、人と組織、組織と組織のコミュニケーションや協働を支援する「SoE」(System of Engagement)という区分がある。SoIはこのいずれでもなく、これらが生成・蓄積した大量のデータを素材として、そこから意味のある情報を取り出す仕組みを指す。
SoIの例として、ECサイトに記録された顧客の閲覧履歴や購買行動データを解析し、購入を断念した要因や離脱の傾向を特定するシステムがある。得られた知見は成約率を高めるサイト改善策や、顧客の嗜好に合わせた商品推薦といった施策の立案に活用される。製造業では、工場の機器に設置したセンサーの稼働データから故障の予兆を検知するシステムや、売上データから需要を予測して在庫を最適化するシステムなども該当する。
SoIを構成する要素として、BI(Business Intelligence)ツールやデータウェアハウス、データレイクなどの分析基盤が用いられることが多い。販売実績、顧客情報、Webサイトのアクセス履歴、センサーデータ、業務記録といった様々なデータを集計、統計分析、データマイニング、機械学習などの手法で解析し、経営判断や需要予測、リスク管理などに反映させる。
SoRは1950年代のコンピュータ黎明期から事務処理の自動化・効率化を担い、SoEは1990年代以降のインターネット普及と共に広まった。「SoI」という区分が注目されるようになったのはそれ以降で、インターネットやクラウドサービスの普及によって企業が扱うデータ量が急増し、蓄積されたデータそのものを経営資源として活用する重要性が高まったことが背景にある。AIシステムの発展により、過去の状況把握に留まらず、将来予測や最適な行動の提案を行う用途にも発展している。