読み方 : ディップ

DIP【Dual Inline Package】デュアルインラインパッケージ

概要

DIPとは、ICチップなどの半導体部品のパッケージ方式の一つで、長方形の本体の両長辺に外部接続用のピンを下向きに並べたもの。基板の穴にピンを差し込んで実装する挿入実装向けのパッケージとして古くから利用されてきた方式である。
DIPのイメージ画像

パッケージの本体はセラミックやプラスチックなどの素材で構成され、内部には半導体チップが封入されている。ピンは偶数本で構成されることが多く、数本程度の小規模なものから40本以上に達するものまで存在する。素材によって「セラミックDIP」「プラスチックDIP」などに分かれる。

集積回路の複雑化によって入出力端子の数が増加した1960年代に考案され、トランジスタ論理回路メモリなど様々な半導体製品に採用された。ピンが規則正しく並ぶため取り扱いやすく、コンピュータや家電製品、産業機器など様々な電子機器への実装に用いられてきた。

その後、ICの高機能化に伴って必要な端子数が増加した結果、パッケージの四辺すべてに端子を配置する方式や、底面に端子を並べる方式が主流となった。DIPは構造上、端子数を増やすことに限界があるため、高密度な最先端チップでの採用は減少している。一方、構造が比較的単純なICワンチップマイコンなどでは現在も使われている。特に、多数の差し込み穴を持つブレッドボードに工具を使わず着脱できることから、回路の実験や試作の場面で多く利用される。部品の向きや端子の配置を確認しやすい形状であることから、電子工作の入門教材としても採用されている。

DIPのパッケージ内部にICチップではなく複数の小さなスイッチを並べ、表面でオン・オフを切り替えられるようにした電子部品は「DIPスイッチ」と呼ばれる。電子基板上にICチップと並べて設置され、機器の動作モードや通信用のアドレスの設定などを行う目的で利用される。設定内容が電源を切っても物理的に保持されるため、産業用機器などでは現在も活用されている。

(2026.6.26更新)
 

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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