SiGe 【シリコンゲルマニウム】

概要

SiGe(シリコンゲルマニウム)とは、半導体素材の一種で、シリコン(Si)にゲルマニウム(Ge)を添加したもの。電子が高速で移動するためシリコンのみの半導体チップに比べ高速で動作させることができる。

半導体材料として最も一般的なシリコン単体に比べ導電性が高く高速で動作し、低消費電力でノイズも生じにくい。シリコンより性能の高い半導体材料にはガリウムヒ素(GaAs)などの化合物半導体もあるが、これらに比べると材料や製造工程にかかるコストが安価で済むというメリットがある。

アナログICアナログデジタル混合回路(ミックスドシグナルIC)などに適しており、無線信号や光信号の制御にも用いられる。シリコン基板では対応が難しい高周波数での駆動も可能とされ、光の吸収率も高いため高効率の太陽電池の材料としても期待されている。

歪みシリコン

SiGe自体で回路を形成するのではなく、シリコン結晶上にSiGeの膜を形成し、その上にさらにシリコンの層を形成すると、シリコン結晶より格子の大きいSiGeと同じ長さに原子間の距離が引き伸ばされたシリコン層を得ることができる。

このような層を「歪みシリコン」(ひずみシリコン)と呼び、ここに回路を形成することで素子を通常より高速に動作させることができる。従来の製法では電子の欠落(正孔/ホール)が移動するp型半導体の動作速度は電子が移動するn型半導体より大幅に低かったが、歪みシリコンでは両者が同等の速度で動作できるとされる。

(2024.1.19更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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