付加価値通信網 【VAN】 Value-Added Network
概要
付加価値通信網(VAN)とは、通信サービスの一種で、データ通信サービスに様々な種類のデータ処理機能を付加して提供するもの。通信事業者が提供するものと、自社で回線設備を持たない事業者が通信事業者の回線網を借り受けて提供するものがある。加入者に対して、回線を通じて送受信するデータの形式変換やプロトコル変換などの機能を提供したり、企業間の電子データ交換(EDI)サービス、データベースなどによる情報提供サービス、加入者間のメッセージ(メール)交換サービスなど、単純なデータ通信サービスにはない高度な情報処理サービスを提供する。
日本では1982年の本格的なVANサービス解禁(第2次回線開放)、1985年の電電公社民営化(NTT発足)および通信自由化を契機に様々な事業者が参入し、活発に利用されるようになった。企業の拠点間や企業間のデータ交換のためのサービスが主流だったが、パソコン通信やビデオテックス(キャプテンシステム)など一般消費者向けのVANサービスも提供された。
1990年代後半からはインターネットが急速に普及し、それまでVANで提供されていたサービスの多くがインターネットを利用したサービスに移行したため、現在ではVANという用語はあまり使わなくなった。
現在でもEDI分野では企業間で受発注データを交換するVANサービスが提供されているが、そのほとんどがインターネットを経由した接続を受け付けており、1990年代までの意味合いとは若干異なっている。
(2023.2.16更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 鎮西学院大学 現代社会学部紀要 21巻1号「オープン戦略と個人情報」(PDFファイル)にて引用 (2022年12月)