バイポーラトランジスタ 【bipolar junction transistor】
概要
バイポーラトランジスタ(bipolar junction transistor)とは、トランジスタの種類の一つで、N型とP型の半導体を組み合わせて電子と正孔(ホール)の両方のキャリア(電荷担体)を利用する方式。信号の増幅や回路のスイッチングなどのために用いられる。初期に発明されて普及したトランジスタで、他の方式が発明されるまではトランジスタと言えばこの方式を指していた。後に現れた電界効果型トランジスタ(FET)など他方式の多くが正孔あるいは電子のいずれか一方のみを用いる「ユニポーラトランジスタ」であるため、これと対比して従来方式を指す用語として「バイポーラトランジスタ」と呼ばれるようになった。
バイポーラトランジスタは「エミッター」(E:Emitter)「コレクター」(C:Collector)「ベース」(B:Base)と呼ばれる3つの端子を持ち、ベースとエミッターの間に微弱な電流を流すとコレクターとエミッターの間に数十倍から数百倍の電流が流れる。
これらの端子にはP型半導体(正孔が流れる)あるいはN型半導体(電子が流れる)が使われ、P型-N型-P型の順に接合したものを「PNP型トランジスタ」、N型-P型-N型の順に接合したものを「NPN型トランジスタ」という。
(2021.6.17更新)