システムLSI 【system LSI】
概要
システムLSI(system LSI)とは、機能や種類の異なる複数の集積回路を一つのLSIに実装し、全体として一つのシステムとして機能するようにしたもの。電子機器やデジタル家電などに組み込まれる制御用のコンピュータシステムとして利用されることが多い。従来のように機能ごとに個別のチップを用意し電子基板に実装して金属線で連結するのに比べ、配線や部品点数、実装面積、消費電力を削減・縮小し、機器を小型化したり駆動時間を延長することができる。
ロジックとメモリのように異なる特性の素子や回路を共存させるため技術的な難易度が高く製造コストは割高なことが多いが、すべて個別のチップとするよりは全体として価格を下げられることが多く、もともとチップ点数が多く複雑だったスマートフォンのようなデジタル情報機器を中心に急速に普及が進んでいる。
まったくゼロからすべての回路や機能を開発することは少なく、特定の機能や目的を実装した回路ブロックを組み合わせてチップを設計していくことが多い。半導体メーカーはシステムLSIの半完成品あるいは汎用の完成品を持っており、顧客の要望に応じて一部を組み替えて迅速にチップを設計・生産できるようになっている。
厳密な定義や規格などはないため、各社がシステムLSIと呼んでいるものには幅がある。一つのICチップにマイクロプロセッサあるいはマイクロコントローラ、メモリ、特定目的のロジック回路などを統合したSoC(System-on-a-Chip)のことや、これらの機能を異なるチップとして製造し、小さな基板に統合して一つのICパッケージとしたSiP(System-in-a-Package)などを指すことが多い。
(2018.10.12更新)