読み方 : ハイブリッドアイシー
ハイブリッドIC【hybrid IC】ハイブリッド集積回路
別名 :HIC/Hybrid Integrated Circuit
概要

一般に「IC」や「ICチップ」と呼ばれているのは「モノリシックIC」であり、シリコンなどの半導体基板の内部や表面を微細加工して素子と配線を形成したものを指す。これに対してハイブリッドICは、別々に製造された電子部品を基板上に実装・接合して回路を構成する。単一の半導体基板に全回路を作り込むのではなく、必要な素子を選んで組み合わせられるため、回路構成の自由度が高い。
基板材料にはセラミックスが多く用いられる。製造では、導電性や抵抗性を持つペーストを基板表面に印刷・焼成して配線や受動素子を形成し、その上にトランジスタやモノリシックICなどの能動部品をはんだ付けやワイヤボンディングで接合する手法が一般的である。完成品は外部接続用の端子を除いてエポキシ樹脂などで封止された状態で提供される。
モノリシックICは大量生産によって製造コストを大幅に抑えられるが、回路パターンの変更には多大な設備投資と期間を要する。ハイブリッドICは開発期間が短く多品種少量生産に向いており、モノリシックIC内部では形成が難しい大容量コンデンサや高精度抵抗器、大電流素子を同一基板上に混載できる。高耐圧・高電力が求められる電源回路や高周波回路、車載用電子機器、産業機器、医療機器などで現在も用いられている。
複数のモノリシックICチップを一つのパッケージに収めたハイブリッドICは、「マルチチップモジュール」(MCM:Multi-Chip Module)や「SiP」(System-in-a-Package)と呼ばれ、異なる製造プロセスで作られたチップの一体化や大型受動部品の組み込みを可能にする技術として現代の半導体製品にも引き継がれている。
(2026.6.18更新)