ベアラ 【bearer】

概要

ベアラ(bearer)とは、運搬者、伝達者、担い手、持参者などの意味を持つ英単語。通信ネットワークの分野で、伝送する内容の圧縮や変換などをわず、信号やビットをそのまま忠実に相手先に伝える回線サービスをこのように呼ぶ。

ベアラサービス (bearer service)

通信サービスにおいて、信号やデータの種類や制御について関知せず、ある地点から別の地点まで信号やデータをそのまま伝送するサービスを「ベアラサービス」(bearer service)という。

これに対し、人間にとって意味のある具体的な機能として提供され、必要に応じて圧縮や変換など伝送内容に対する操作を含み得る通信サービスを「テレサービス」(teleservice)という。

例えば、アナログ電話回線で3.4kHz電気信号をある地点から別の地点へ伝送するサービスはベアラサービス、これを利用した音声通話やファクシミリFAX)はテレサービスとなる。

ベアラ速度 (bearer speed)

通信回線ネットワークおいて、データ圧縮や制御信号、誤り訂正符号などの効果を考慮せず、回線が物理的に伝送しているビット列全体の伝送速度のことを「ベアラ速度」(bearer speed)あるいは「ベアラレート」(bearer rate)などという。

ベアラ速度から、仕様上必ず付加される制御データなどに費やす分を取り除いたものが、機器間で実質的に伝達される情報伝送速度であり、これを実効伝送速度、実効転送レートなどという。

(2020.2.6更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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