読み方:アイピーセントレックス
IPセントレックス 【IP centrex】
一般的な企業内部で用いられる電話は、建物内の内線電話網と電話事業者の外線が構内交換機(PBX)という機器に接続されており、PBXが内外の通話を制御されている。内線通話や代表電話、保留、転送などの機能はPBXが提供している。
IPセントレックスでは、企業内の電話システムをIP電話(VoIP)に切り替え、通信事業者が提供するIP-PBXと呼ばれるサーバに接続する。内線機能などはIP-PBXが提供する。IP-PBXは通信事業者の拠点に設置されており、そこまでの通信にはインターネットなどと共通の一般的なデータ通信サービスを使う。
PBXやそれに代わるIP電話サーバを社内に設置・運用する必要ないため、コストや人員を節減できる。また、コンピュータ向けに敷設したIPネットワーク(LAN)に相乗りできるため、内線電話網を別に敷設する必要もなくなる。拠点が全国に分散しているような場合、従来の電話システムでは拠点間の通話は外線通話だったが、IPセントレックスでは離れた拠点同士も内線網に組み込むことができる。
IPセントレックスを発展させ、携帯電話など音声通話可能な無線端末をIP電話網に統合し、通信事業者の運用するIP-PBXで制御することを「モバイルセントレックス」(mobile centrex)という。専用の無線IP電話機を用いる方式と、一般的な携帯電話端末を用いる方式があり、有線のIP電話機の設置や配線を省くことができる。
(2025.8.6更新)