SLA 【Service Level Agreement】 サービス品質保証 / サービスレベル合意書
概要
SLA(Service Level Agreement)とは、サービスを提供する事業者が契約者に対し、どの程度のサービス品質を保証するかを提示したもの。通信サービスやホスティングサービス、クラウドサービスなどでよく用いられる。提供するITサービスの可用性や性能などの品質について保証する項目と水準を定め、利用開始時に双方で合意した文書や契約を指す。それらを実現できなかった場合に料金を一定割合で返金するなど、補償についての規定も定めておくことが多い。
規定される項目は原則として客観的に決定でき、定量的に計測可能なもので、上限や下限、平均などを数値で表し、測定方法なども定義しておく。例えば、混雑時でも最低限保証する通信速度や処理性能、障害などによる平均故障間隔(MTBF)や平均修復時間(MTTR)、稼働率の下限などを定める。
利用者にとっては、メニューなどで謳われている性能や機能がどの程度の水準で保証されるのか事前に知ることができる。また、サービス内容などが同程度の事業者の中から、サービス提供の品質水準とコストを比較して事業者を選定することができる。
事業者にとっては、形式的な性能表記などでは比較しにくい高いサービス品質をアピールしたり、逆に廉価である理由を合理的に説明することができる。顧客に想定以上の品質や対応を求められてコストが嵩んだり、責任範囲についての認識の齟齬からトラブルに発展することを未然に防ぐことも期待できる。
もともとアメリカの大手通信事業者などが通信サービスについて導入したものが広まったもので、現在では通信サービスや各種のオンラインサービス、IT関連サービスで広く普及している。組織内の部門間で似たような合意文書を交わす場合もあり、「OLA」(Operational Level Agreement:運用レベル合意書)と呼ばれる。
(2023.12.6更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- サイエンティフィック・システム研究会「クラウドの利用にともなう法的問題点」(PDFファイル)にて引用 (2013年2月)