ニアリーイコール 【≒】 approximately equal / almost equal / nearly equal
概要
ニアリーイコール(≒)とは、数式の左辺と右辺がほぼ等しいことを表す数学記号。「≒」「≃」「≈」「~」などの種類がある。厳密に等しいことを表す等号「=」とは異なり、左辺と右辺の値がほぼ等しい、または、左辺を右辺で近似できることを表す。等号の代わりに「π≒3.14」のように書き表し、「πは3.14にほぼ等しい」「πニアリーイコール3.14」のように読む。
記号の使い分けは厳密には決まっていないが、一般的に単に値が近いことは「≒」か左右逆の「≓」で表す。この記号は日本や韓国、台湾などでしか使われておらず、世界的には「≃」「≈」「≅」などの記号を用いるのが一般的である。
級数や極限などで漸近的に近い(極限において等しくなる)ことは「≐」や「≃」で、オーダー(桁数)が等しいことは「~」(チルダ)で表すことがある。なお、「~」は「∽」「∝」などと同じ比例関係を表す記号として用いられることもある。
文字コード上の扱い
コンピュータ上の文字としては、英語圏の文字コード標準であるASCIIには用意されておらず、チルダ「~」で代用することがあった。英語圏のASCII拡張の一つであるコードページ437(CP437)では247番(16進数F7)に「≈」が収録されており、これを用いることが多い。
日本語のJIS漢字コードでは、JIS X 0213規格などに「≒」「≃」「≈」の全角記号が収録され、以前から一般的に使われている。国際的な文字コード標準のUnicodeにはこれらすべてが収録されており、どの言語環境でも利用できる。
チルダ「~」以外はキーボードに対応するキーが用意されていないため、日本語入力ソフト(IME)などで変換して入力する必要がある。IMEによって何から変換できるかは異なるが、「=」「等号」「ニアリーイコール」などから変換できることが多い。
(2024.9.3更新)