G3 FAX 【Group 3 Facsimile】
概要
G3 FAX(Group 3 Facsimile)とは、ファクシミリ(FAX)の標準規格の一つで、一般的な電話回線を通じてデジタル化された画像データを伝送する方式。最も広く普及しており、一般的なFAX機のほとんどが対応している。1980年に当時のCCITT(現在のITU-T)がT.30勧告として標準化した方式で、読み取った画像の信号を白黒二値のモノクロ画像としてデジタル化し、圧縮符号化してモデムによって音声信号に変調して伝送する。読み取り解像度は水平方向・垂直方向ともに200dpi(ドット毎インチ)。
初期の仕様では、データをMH符号(Modified Huffman Coding:修正ハフマン符号)で圧縮し、V.27ter勧告のモデムを用いて4.8kbps(キロビット毎秒)の通信速度で伝送する。A4一枚を約60秒で送信できる。
後に、モデム部分にV.29勧告を用いて9.6kbpsで伝送する仕様(A4一枚約30秒)や、データを「MR符号」(Modified READ Coding)で圧縮し、V.17勧告のモデムで14.4kbpsで伝送する仕様(同約20秒)が追加された。
スーパーG3 (Super G3)
G3 FAXの拡張仕様(Annex F)の一つとして追加された規格で、A4一枚を約3秒で伝送できる高速な仕様。現在のFAX機の多くが対応している。送信側と受信側の双方がスーパーG3対応の場合に利用できる。
読み取った画像データを「MMR符号」(Modified Modified READ)あるいは「JBIG」(Joint Bi-level Image Experts Group)形式で高い効率で圧縮し、V.34モデムを用いて最高33.6kbpsの速度で伝送する。受信側が非対応の場合はこれを接続時に認識し、G3仕様で送信するようになっている。
(2019.1.9更新)