ZIF 【Zero Insertion Force】 ZIFソケット / ZIFコネクタ
概要
ZIF(Zero Insertion Force)とは、電子部品のコネクタやソケットの結合部の仕組みの一つで、挿入や取り外しをコネクタ脇に設けられた小さなレバーの上げ下げによって行なうもの。無理な力を加えてピンが損傷したり、差し込みが甘くて接触不良になるのを防ぐことができる。通常の単純な構造のコネクタは、ピンやプラグを対応する窪みや穴に挿入して手や指で押し込むことで接続し、反対に引っ張ることで取り外す。簡素で低コストだが、ICチップや小型の電子部品など、多数の細い金属ピンが並んだ構造のコネクタでは、力を加えた時に一部のピンが脱落したり曲がったりしてしまうことがある。
一方、ZIFタイプのコネクタやソケットでは、コネクタを所定の位置に合わせて置き、付近にあるレバーを下げることで、強い力を加えることなくコネクタを接続することができる。取り外し時にレバーを上げることで、やはり無理に引っ張ることなく外すことができる。
単純なコネクタと異なり差し込んだピンが摩擦力で固定されないため、押し下げたレバーをロックする機構がある。レバーの分だけ実装面積が大きくなりコストも増大するため、細いピンが大量に並んで着脱が難しいソケット型CPUなど限られた用途で用いられる。レバーなどを用いず小さな力で着脱できるようにしたコネクタは「LIF」(Low Insertion Force)と呼ばれる。
(2023.2.20更新)