フレームリレー 【Frame Relay】 FR

概要

フレームリレー(Frame Relay)とは、パケット交換網を利用したデータ通信サービスの一つ。日本では旧NTT(分割前)およびNTTコミュニケーションズ(分割後)の「スーパーリレーFR」などが提供されていた(2011年終了)。

1990年代に光回線の信頼性向上したことなどから、それまで標準的に用いられてきたX.25と呼ばれるプロトコル通信手順)から誤り訂正再送制御を省いて簡略化し、高速・低コストな通信サービスを提供する方式として考案された。

通信事業者パケット交換網を通じて広域通信網構築することができ、企業の拠点間接続などに用いられた。相手先とはVCVirtual Circuit)と呼ばれる仮想回線を確立し、データを一定の大きさに分割したパケット単位で送受信する。一本の物理回線に複数のVC多重化することができ、複数拠点と同時に通信することができた。

CIR (Committed Information Rate)

フレームリレー方式の通信サービスにおいて、回線の混雑時・輻輳時でも最低限保証する通信速度のこと。

ネットワークが正常に運用されている状態のときに保証する単位時間あたりの送受信データ量のことで、これを元に回線料金などが決定されることが多い。特に混雑していない通常時はCIRを超えた速度で通信することができ、また、激しい輻輳ネットワークが正常な状態を維持できない場合にはCIR以下でしか通信できないこともある。

DLCI (Data Link Connection Identifier)

フレームリレー通信網で、物理的な回線上に多重化した仮想的回線識別子をDLCI(Data Link Connection Identifier)という。

フレームリレーでは物理的な一本の回線上に複数の仮想回線VC)を収容して同時に通信することができるが、交換機などがどのフレームがどのVCのものかを識別するために用いる識別番号がDLCIである。

ネットワーク全体で一意であるものを「グローバルDLCI」、特定のリンク(一対の交換機間の接続)内でのみ有効なものを「ローカルフレームリレー」というが、一般的にはローカルDLCIが用いられる。

標準のデータ長は10ビットで、0から1023までの1024種類の番号で識別できるが、0~15と992~1023は管理や制御のために予約されており、実際には16~991の976種類の回線を識別できる。

(2020.3.29更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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