FET 【Field Effect Transistor】 電界効果トランジスタ
概要
FET(Field Effect Transistor)とは、トランジスタの構造の一つで、ゲート電極から生じる電界によって電流の流れを制御する方式。小型化が容易なため集積回路(IC)の論理回路やセンサーの素子などに広く用いられている。FETは「ソース」(source)、「ゲート」(gate)、「ドレイン」(drain)の3つの端子を持ち、ゲート端子に電圧をかけることによってソース-ドレイン間を流れる電子または正孔(ホール)の流れを制御する。電流を運ぶキャリア(電子または正孔)を一種類しか使わない「ユニポーラトランジスタ」(unipolar transistor)に分類される。
具体的な構造にはいくつかの種類があるが、よく使われるのは金属-半導体酸化物-半導体の三層構造になっている「MOSFET」(Metal-Oxide-Semiconductor FET)である。これはシリコン(ケイ素)結晶などでできた半導体基板の上に二酸化ケイ素などの半導体酸化物で絶縁膜を作り、その上にアルミなどの金属でゲート電極を重ねた構造になっている。
現代の半導体チップの多くは論理回路をFETで構成しており、微細化技術の進展により数cm角のチップ一枚に数億個に及ぶFETを集積できるようになっている。電力制御に用いるパワーMOSFETや、表示装置などに応用される有機電界効果トランジスタ(OFET)などの研究・開発も進んでいる。
(2023.5.11更新)