G4 FAX 【Group 4 Facsimile】

概要

G4 FAX(Group 4 Facsimile)とは、ファクシミリ(FAX)の国際規格の一つで、ISDN回線用のもの。アナログ回線向けの規格より高精細な画像を高速に送受信することができる。

アナログ電話回線用のG1~G3の規格に比べ、白と黒の中間色が使え、解像度も縦横400dpiドット毎インチ)と精細になっている。通常の接続方式(Bチャネル1本)で64kbpsキロビット毎秒)というISDNの優れたデジタル通信性能を活かし、A4用紙1枚分を約3秒で送受信できる。G3 FAX上位互換となっており、G4対応機種は相手方がG3の場合にはG3 FAXとして動作する。

1984年に登場した規格で、ISDNの主要な用途として普及が見込まれたが、ISDN自体があまり普及しないまま1990年代末以降はメタル回線アナログ回線)から光ファイバー回線への置き換えが進んだため、G4 FAXもほとんど利用されなかった。

2000年代以降の光ファイバーFTTH通信サービス上の電話サービス光電話/IP電話)はアナログ電話回線の仕様に準拠したものであるため、その後に発売されたFAX内蔵電話機などもG4 FAXには対応しておらず、ほとんどがG3およびスーパーG3までの対応となっている。日本ではNTT地域会社によるISDN通信サービスINSネット)が2024年で終了するため、以降はG4 FAXも完全に使用不能となる。

(2022.10.17更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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