MOSFET 【Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor】

概要

MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)とは、電界効果トランジスタ(FET:Field-Effect Transistor)の一種で、金属(metal)-半導体酸化物(oxide)-半導体(semiconductor)の三層構造を利用したもの。集積回路(ICチップ)上に形成されるトランジスタの構造として最も広く普及している。

シリコン(Si基板の上に二酸化珪素(SiO2)の薄膜を形成し、その上に金属ゲートを配置した構造のものが多く、半導体酸化物の層が絶縁膜として機能する。電荷の運搬が自由電子によってわれるものを「nMOS」(negative MOS)、正孔ホール)によってわれるものを「pMOS」(positive MOS)、両者を組み合わせたものを「CMOS」(complementary MOS)という。

pMOS (p-channel MOS)

MOS構造の半導体素子のうち、正(positive)の電荷を持つ正孔が電流を運ぶタイプのもの。n型半導体の基材にp型半導体ソースとドレイン、間に金属酸化膜のゲートを配した構造で、ゲート電圧がHighのときにソース-ドレイン間が導通する。最初に実用化された方式だが、正孔の移動度が電子より低いことなどからnMOSの方が好まれるようになり、やがて両者を組み合わせたCMOSへ移行していった。

nMOS (n-channel MOS)

MOS構造の半導体素子のうち、負(negative)の電荷を持つ電子が電流を運ぶタイプのもの。p型半導体の基材にn型半導体ソースとドレイン、間に金属酸化膜のゲートを配した構造で、ゲート電圧がLowのときにソース-ドレイン間が導通する。特性的にpMOSより高速化に向いていたが初期には製造が難しかったため、pMOSに遅れて普及した。

(2021.6.22更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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