D/Aコンバータ 【DAC】 Digital-to-Analog Converter / デジタルアナログ変換器 / D/A変換器
コンピュータでは、メモリ上でデジタルデータとして管理されている画面の表示情報をアナログ信号に変換してディスプレイ装置に送出したり、音声データをアナログ信号としてスピーカーに送出したりといった用途で主に用いられている。
アナログ信号を何段階のデジタル値で近似するかを分解能と呼び、ビット単位で表す。8ビットなら256段階、10ビットなら1024段階で波形を表現できる。また、1秒間に何回変換を行うことができるかをサンプリング速度(サンプリングレート/サンプリング周波数)と呼び、ヘルツ(Hz)単位で表す。1MHzなら毎秒100万回、1GHzなら10億回の変換を行う。
いずれの値も大きければ大きいほど元の波形に近い滑らかなアナログ信号を再現できる。ただし、両者はいずれかを向上させるともう一方の性能を高めるのが難しいトレードオフの関係にあるため、用途に応じてどちらを重視するか考えて方式や製品の選択などを行う必要がある。
D/Aコンバータには原理が異なる複数の方式があり、得意な分野や用途が異なっている。よく知られるのは多数の抵抗を並べた抵抗ラダー型や抵抗ストリング型、キャパシタ(コンデンサ)を用いる容量アレイ型、オーバーサンプリングという手法を応用したΔΣ(デルタシグマ)型、電流の大きさを変化させて信号を出力する電流出力型などがある。
D/Aコンバータとは逆に、アナログ信号をデジタル信号に変換する電子回路のことを「A/Dコンバータ」(ADC:デジタルアナログ変換器)という。電波や電気信号の受信、写真や映像の撮影、音声の録音など、自然界の物理状態をデジタル値の列に変換してコンピュータで利用するために必要となる。
(2023.3.20更新)