チャーン 【churn】
概要
チャーン(churn)とは、顧客がサービスを解約すること。また、競合する複数の企業間でサービスや契約の切り替え、乗り換えを頻繁に繰り返す「移り気な」顧客。“churn” とは、かき混ぜる、激しく動く、撹拌などの意味を持つ英単語。顧客がサービスや契約を解除・退会して去ることや、ある期間に解約した顧客の数などを意味する。サービスによっては有料会員から無料会員に変更することを含む場合もある。単純な解約件数を「カスタマーチャーン」(customer churn)、解約者がそれまで支払っていた料金を掛けて逸失収入額として表したものを「レベニューチャーン」(revenue churn)ということもある。
顧客の性質を指す場合は、同種のサービスを提供する複数社間で、短期間のうちに次々に他社への切り替えを繰り返す利用者のことをチャーンということがある。少しでも安い料金や有利や契約条件、契約時の特典などを求めて行われる行為で、携帯電話などの通信サービスやインターネット接続サービスなど、事業者間でサービス内容や品質などに大きな差異がないような業界でよく見られる。
チャーンイン/チャーンアウト
他社の同種のサービスから乗り換えて新規に契約すること(また、そのような顧客獲得件数)を「チャーンイン」と言ったり、逆に、他社の同種のサービスへ乗り換えるために解約すること(また、そのような解約件数)を「チャーンアウト」ということがある。
普及率が飽和し、他社との間の乗り換えや引き抜きが加入や解約の中心となっている携帯電話事業などでよく用いられる概念である。和製英語であり、英語の “churn-in” “churn-out” にそのような意味はない。
チャーンレート (churn rate/解約率/チャーン率)
ある期間に既存顧客が契約を解除した割合をチャーンレートということがある。その期間の解約件数を、期初(前期)の顧客数で割った値で、100倍してパーセンテージで表すことが多い。
例えば、ある月のチャーンレートが3%だった場合、前月末時点の顧客が100人あたり3人、その月に解約したという意味になる。
期中に新規加入した顧客の数を考慮しない点が特徴で、単純な顧客数の推移では分からない、既存顧客のサービスへの満足度、愛着度などを定量的に把握することができる。