自由電子 【free electron】

概要

自由電子(free electron)とは、物質内で特定の原子間の結合に束縛されず自由に動き回れる電子のこと。金属結晶などには豊富に含まれるため電気をよく通す導体となり、ゴムなどには含まれないため電気が流れない絶縁体(不導体)となる。

金属などの元素は電子を放出して陽イオンになる傾向が強く、結晶中では最外殻の価電子が電子軌道の重なりを通じて原子核の間を自由に動き回ることができる。この自由電子の働きによって、金属の独特の光沢や電気や熱の伝導度の高さといった特性が生み出されている。

電子回路の材料に用いられる半導体は導体と絶縁体の中間の性質を持つ物質で、シリコン(ケイ素:Si)やゲルマニウム(Ge)などの4価の物質の結晶中に価電子数の多い5価のリン(P)やヒ素(As)を添加したものには内部で自由電子が生じる。このような組成の半導体を「n型半導体」と呼び、自由電子が負(negative/-)の電荷を運搬する担体(キャリア)として振る舞う。

(2018.11.9更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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