SRTP 【Secure Realtime Transport Protocol】
概要
SRTP(Secure Realtime Transport Protocol)とは、IPネットワーク上でリアルタイム性の高いデータを伝送するRTPの拡張仕様の一つで、伝送データを暗号化して保護するもの。RTP(Realtime Transport Protocol)はネットワーク上で音声や動画のように連続するデータの流れをリアルタイムに伝送するための通信プロトコル(通信手順)の一つで、IP電話やテレビ会議システムなどに応用されている。
RTPは標準ではメディアデータをそのまま送受信するが、SRTPを用いることによりAES方式による暗号化、メッセージ認証による改竄やなりすましの防止、反射攻撃(リプレイアタック)からの保護などを行い、インターネットなど信用できない伝送経路を使用しても安全にデータをやり取りできるようにする。
暗号などを利用するには通信の開始時に安全な方法で秘密の情報を共有・交換する必要があるが、SRTPでは最初に単一のマスターキーを共有し、そこから暗号鍵など必要な情報を一定の手順で導出する仕組みになっている。このマスターキーの交換には「ZRTP」または「MIKEY」(Multimedia Internet KEYing)というプロトコルが用いられる。
RTPによる通信を制御するためのプロトコルとして「RTCP」(RTP Control Protocol)が用いられるが、SRTPによる通信を制御するために「SRTCP」(Secure RTCP)が用意されている。両者はセットで利用される。SRTPもSRTCPも2004年にIETFによってRFC 3711として標準化されている。
(2024.7.5更新)