読み方 : でんわかにゅうけん

電話加入権

概要

電話加入権とは、NTT東日本・NTT西日本に加入電話の契約を行う際に必要な権利。同社に「施設設置負担金」を支払うことにより得られ、他者に譲渡・売却することができる。
電話加入権のイメージ画像

NTT地域会社の電話回線を新たに引き込むには、契約時に施設設置負担金を支払う必要があるが、負担金を支払って得た権利は名義を書き換えて他者に譲渡することができる。この権利を「電話加入権」と呼び、個人や法人の間で譲渡や売買が行われている。債権等とは異なり、同社による償還や払い戻しなどを受けることはできない。

現在の施設設置負担金の金額は消費税抜き36,000円で、いわゆるアナログ電話回線(加入電話INSネット64を使うためのメタル回線)が対象である。フレッツなどの光ファイバー回線、NTTドコモの移動体通信回線には不要である。なお、「電話加入権」は制度や契約上の正式な名称ではなく、通称・俗称である。

前世紀には無形財産の一種として活発に売買され、専門の仲介事業者も存在した。21世紀に入り、かつての固定電話は携帯電話や光ファイバー回線の音声通話サービス(ひかり電話など)に置き換えられ、新規にメタル回線を引く需要はほぼ消滅した。電話加入権も2010年代頃からは実質的に無価値となっている。

歴史

電話加入者に負担を求める制度の起源は1897年(明治30年)に逓信省が創設した「加入登記料」制度と言われ、当時は15円を支払って加入権を得た。回線インフラの敷設を始めたばかりで加入希望者の増加に工事が追いつかず、希望者の抑制を狙った制度と言われる。

戦後になると戦災復興で予算が逼迫する中、登記料は「装置料」に改められ、1948年には1,000円、1951年の日本電信電話公社(電電公社)発足以降は4,000円が徴収された。1960年には設備料に改称され10,000円となり、1976年までに段階的に80,000円まで値上げされた。1985年のNTT設立・民営化により工事負担金に改称され、72,000円に値下げされた。1989年に現在の施設設置負担金に改称、2005年に36,000円(税抜き)となった。

なお、これとは別に戦後および高度成長期の加入者の急増に対応するため、1951年から1983年まで数万円の「電信電話債権」の購入が義務化されており、電話加入権とよく混同される。債権であるため満期日(10年前後に設定されていた)を迎えると保有者に額面金額(利付債ではプラス利息)が償還された。

他の辞典等による「電話加入権」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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