読み方 : エムティービーエフ

MTBF【Mean Time Between Failures】平均故障間隔

別名 : 平均故障間動作時間MCBFMean Cycle Between Failures

概要

MTBFとは、機器やシステムなどの信頼性を表す指標の一つで、稼働を開始(あるいは修理後に再開)してから次に故障するまでの平均稼働時間。例えば、この値が10年ならば「10年の稼働時間の間に平均1回故障する」ことを表す。
MTBFのイメージ画像

ある期間における(あるいは複数の同じ機器における)機器の稼働時間の和を、その間に発生した故障の回数で除して求められる。例えば、あるシステムの運用状況を1年間調べた結果、総稼働時間が8000時間で故障による停止が4回起こっていた場合、MTBFは8000/4で2000時間となる。

一般にMTBFが大きいほど故障から次の故障までの間隔が長く、長期間安定的に利用できる。MTBFは何度も繰り返し修理して使用する前提の指標であり、故障、破損したら修理できず破棄・交換される機器の場合には、同様の指標のことを「MTTF」(Mean Time To Failure平均故障時間)と呼ぶ。

機器やシステムの種類や用途によっては、始動してから停止せず稼働させ続ける連続動作時のMTBFと、始動・停止を繰り返す間欠動作時のMTBFを別に求めて表示することもある。多くの機器では連続動作の方が使用環境としては過酷なためMTBFが短くなるが、始動時や停止時に大きな負荷のかかる機器(蛍光灯やハードディスクなど)では間欠動作時の方がMTBFが短くなることもある。

MTBFが数か月から数年以上に及ぶ機器などの場合、実際にそれより長い期間、同じ機器を試験し続けることは現実的でないため、大量の(新品の)機器を用意して並列に試験し、稼働時間と故障回数を合算して算出することが多い。この場合、いずれの機器も新品状態から短い期間しか観察されないため、長年使用し続けた時に生じる摩耗や劣化による故障を正しく反映しない場合もある。

MTTR・稼働率との関係

これに対し、一回の故障・修理にかかる平均時間のことは「MTTR」(Mean Time To Repair)という。MTBFを、MTBFとMTTRの和で除したものは全時間に対する稼働時間の割合、すなわち稼働率operating ratio)となる。

例えば、ある装置のMTBFが999時間、MTTRが1時間であれば「平均999時間稼働するごとにトラブルで停止し、平均1時間の復旧時間を挟んで稼働を再開する」ことを意味するため、稼働率は999/(999+1)で0.999(99.9%)となる。

(2023.4.22更新)

他の用語辞典による「MTBF」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「MTBF」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
平26春 問69】 あるコンピュータシステムの故障を修復してから60,000時間運用した。その間に100回故障し、最後の修復が完了した時点が60,000時間目であった。
平25春 問83】 次の式で求まる信頼性を表す指標の説明はどれか。MTBFMTBF+MTTR
平24春 問70】 MTBFが600時間、MTTRが12時間である場合、稼働率はおおよそ幾らか。
平23春 問71】 あるシステムにおいて, MTBFとMTTRがどちらも1.5倍になったとき、稼働率はどうなるか。
平22春 問57】 図に示すあるシステムの運転状況において、区間Aにおける平均故障間隔(MTBF)は何時間か。
平21春 問61】 あるシステムは5,000時間の運用において、故障回数は20回、合計故障時間は2,000時間であった。おおよそのMTBF、MTTR、稼働率の組合せのうち、適切なものはどれか。
▼ 基本情報技術者試験
令7公 問4】 MTBFは4,000時間,MTTRは1,000時間の装置がある。今後の6年間は,予防保守によってMTBFを前年に比べて毎年100時間ずつ改善し,遠隔保守によってMTTRを前年に比べて毎年100時間ずつ改善していく計画である。
令6修6 問12】 MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。
令6公 問4】 あるシステムの今年度のMTBFは3,000時間,MTTR は1,000 時間である。翌年度はMTBFについて今年度の20%分の改善,MTTRについて今年度の10%分の改善を図ると,翌年度の稼働率は何%になるか。
令5修12 問12】 MTBFが1,500時間,MTTRが500時間であるコンピュータシステムの稼働率を1.25倍に向上させたい。MTTRを何時間にすればよいか。
令5修6 問12】 MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。
令4修7 問15】 MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。
令4修1 問16】 コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
令3修12 問15】 MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
令3修6 問16】 2台のコンピュータを並列に接続して使うシステムがある。それぞれのMTBFとMTTRを次の表に示す。どちらか1台が稼働していればよい場合,システム全体の稼働率は何%か。
令2修12 問16】 MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。
令2修1 問15】 MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
令1修12 問16】 MTBFがx時間,MTTRがy時間のシステムがある。使用条件が変わったので,MTBF,MTTRがともに従来の1.5倍になった。
令1修7 問14】 コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
令1修6 問14】 MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。
平31修1 問15】 システムの稼働率に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平29秋 問15】 MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
平29修6 問13】 MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。
平28秋 問15】 2台のコンピュータを並列に接続して使うシステムがある。それぞれのMTBFとMTTRを次の表に示す。どちらか1台が稼働していればよい場合,システム全体の稼働率は何%か。
平28修7 問15】 コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平28春 問15】 システムの稼働率に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平27秋 問14】 MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。
平27春 問16】 コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平26修7 問15】 MTBFが1,500時間,MTTRが500時間であるコンピュータシステムの稼働率を1.25倍に向上させたい。MTTRを何時間にすればよいか。
平25修12 問20】 コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平25秋 問14】 MTBFが21万時間の磁気ディスク装置がある。この装置100台から成る磁気ディスクシステムを1週間に140時間運転したとすると,平均何週間に1回の割合で故障を起こすか。
平25春 問15】 MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
平25修1 問16】 MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。
平24秋 問16】 コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平24修1 問20】 MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。
平23修12 問19】 2台のコンピュータを並列に接続して使うシステムがある。それぞれのMTBFとMTTRを次の表に示す。どちらか1台が稼働していればよい場合,システム全体の稼働率は何%か。
平23秋 問18】 MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。
平23修7 問20】 コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平23春 問16】 装置aとbのMTBFとMTTRが表のとおりであるとき,aとbを直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。単位 時間
装置MTBFMTTR
a8020
b18020
平23修1 問18】 稼働率が大きくなるものはどれか。
平22修6 問20】 システムの稼働モデルが図のように表されるとき,システムのMTBFとMTTRを表した式はどれか。ここで,tiはシステムの稼働時間,riはシステムの修理時間を表すものとする(i=1,2,…,n)。
平22修1 問18】 MTBF(平均故障間隔)とMTTR(平均修復時間)に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平21修12 問18】 平均故障間隔がx時間,平均修理時間がy時間のシステムがある。使用条件が変わったので,平均故障間隔,平均修理時間がともに従来の1.5倍になった。
平21修7 問15】 MTBFが21万時間の磁気ディスク装置がある。この装置100台から成る磁気ディスクシステムを1週間に140時間運転したとすると,平均何週間に1回の割合で故障を起こすか。
平21修6 問17】 ある装置の5か月間における各月の稼働時間と修理時間は表のとおりである。この装置のMTBF,MTTR及び稼働率の組合せとして,適切なものはどれか。