DVD-Audio
DVDはCDの約7倍の記憶容量があり、5.1chサラウンドなどのステレオを超えるマルチチャンネルの記録や、高いサンプリング周波数や量子化ビット数によるハイレゾ音質の記録などを実現することができる。
CDの音声記録方式であるCD-DAは2chステレオ、サンプリング周波数44.1kHz、量子化16ビットだが、DVD-Audioでは最大6チャンネル(5.1chサラウンド)、サンプリング周波数はステレオで最大192kHz、マルチチャンネルで96kHz、量子化24ビットで記録する。
用途に応じてサンプリング周波数や量子化ビット数、チャンネル数を選択することが可能なため、音質や最大記録時間はそれらの組み合わせによって大きく異なる。いずれの組み合わせを選択した場合でもCDの74分を超える長時間記録が可能。
映像記録用の仕様であるDVD-Videoと違ってリージョンコードは設定されておらず、メディアやドライブは全世界で共通のものが使える。音楽CDにコピー防止技術を追加する試みは失敗したが、DVD-Audioは当初からDVD-Videoなどと同じCPRMによる著作権保護に対応している。
1999年に規格が策定され、CD-DAに代わる次世代の音楽記録メディアとして同時期に登場した「SACD」(Super Audio CD)と競合した。CDとの互換性の高さなどからSACDの方が市場に好まれる結果となったが、SACDもCDを置き換えて普及するには至らなかった。
(2024.1.7更新)