DVD-RAM
概要
DVD-RAMとは、利用者が何度も内容の消去や上書き、再書込を行える、書き換え可能型DVDの規格の一つ。業界団体のDVDフォーラム(DVD Forum)が策定したもので、最大記録容量は他のDVD規格と同じ片面一層で4.7GB。他のDVD規格と同じ形状、サイズだが内部構造の異なる専用のディスクを用い、データの記録や追記、消去、再書込ができる。ディスク上の特定の領域を指定して選択的に消去あるいは上書きすることはできず、すべてのデータを消去(再フォーマット)して空のディスクに戻し、再書き込み可能にする。DVD-Rのように空き領域に追記していくことはできる。
パナソニック(当時は松下電器産業)の書き換え可能な光学ディスク「PD」の技術を元に開発された相変化型の記録方式を採用し、1997年に発表された最初の規格では他のDVD規格より少ない2.6GBのデータを記録できた。その後、バージョン2規格で他と同水準の4.7GBまで記憶容量が拡張された。
当初は専用のカートリッジにディスクを収納したメディアを用いたが、後に他のDVDメディアと同じむき出しのディスクを利用するよう変更された。他の規格とはメディアや記録方式の物理的な特性が大きく異なり互換性が低く、特別にDVD-RAMに対応しているドライブでなければ再生できないという難点があった。
「RAM」は書き換え可能な半導体メモリのRAM(Random Access Memory)に由来する。初期のDVD規格は書き込み不可能な「DVD-ROM」で、「ROM」が書き込みできない半導体メモリのROM(Read Only Memory)に由来していたことから、その対義語として書き込み可能メモリの「RAM」の名が拝借された。
DVD-RW/DVD+RWとの違い
DVDフォーラムは同じく書き換え可能型DVD規格としてDVD-RWを制定しているが、DVD-RWが主にAV機器などでの映像記録用として用意されたのに対し、DVD-RAMはコンピュータなどでのデータ記録用を想定しており、書き換え可能回数が10万回と他の規格(多くは1000回程度)より大幅に高いなどの特徴がある。
また、DVD+RWアライアンス(DVD+RW Alliance)という別の業界団体が、書き換え可能なDVD拡張規格として「DVD+RW」を策定しており、ディスクのサイズや形状、最大記憶容量(4.7GB)などは共通しているが、仕様が異なるためディスクやドライブに互換性はない。