BD-R 【Blu-ray Disc Recordable】
記録型ディスクのうち追記型あるいはライトワンス(write once)と呼ばれるタイプで、出荷時には何もデータが記録されておらず、利用者が手元の機器でデータを記録することができる。容量が許す限り何度もデータを追記していくことはできるが、一度書き込んだ箇所の削除や上書きはできない。
形状や容量、記録データの仕様はBD-ROMとほぼ同様で、記憶容量は片面1層記録で25GB、片面2層(BD-R DL)記録で50GB、BD-R XL規格で100GB(3層)または128GB(4層)となっている。ファイルシステムにはUDF、映像記録にはBD-ROMのBDMVではなくBDAV規格を用いる。記録速度は当初は1~2倍速だったが、最大6倍速まで高速化された。
記録面が特殊な色素で覆われており、BD-R記録に対応したドライブで光学ヘッドからレーザー光を照射することにより反射率を変化させて信号を記録する。当初は高速な記録が可能だがコストの高い無機系材料が使われていたが、BD-R 1.2で有機系材料を用いた低コストのLTHタイプと呼ばれるディスク仕様が追加された。
Blu-ray Discの記録型ディスクには他に、何度も消去と再書き込みを繰り返すことができるBD-RE(Blu-ray Disc Rewritable)がある。
BD-R DL (Dual Layer)
BD-Rの拡張仕様の一つで、片面2層記録で最大50GBまでの記録が可能なもの。また、そのような2層記録に対応したBD-Rディスク。
通常のBD-Rディスクは片面1層で25GBまで記録できるが、BD-R DLでは記録面に深さの異なる2階層の記録層を設けてそれぞれに信号を記録することで、1層型の2倍にあたる50GBまで記録できる。
読み取りや書き込みはドライブとディスクの両方が2層記録に対応している必要があり、1層型専用のドライブではBD-R DLを読み出すことはできない。3層以上の記録に対応した仕様は「BD-R XL」と呼ばれる。
BD-R XL (Extra Large)
記録容量を拡大したBlu-ray Discの追加仕様「BDXL」(BD Extra Large)の一部で、BD-Rの記憶容量を拡張したもの。XL規格のBD-Rディスク自体を指すこともある。
従来のBD-Rは1層記録で25GB、2層記録(DL)で50GBだったが、XLでは3層で100GB、4層で128GBの記録に対応した。利用するにはディスクとドライブが共にXL規格に対応している必要がある。
LTH (Low To High)
BD-R規格に追加されたディスク仕様で、記録面の色素に有機系材料を使用したもの。書き込みによって反射率が高い状態から低い状態に変化するためこのように呼ばれる。
BD-Rでは当初、高速な記録が可能で耐久性が高いが製造コストのかさむ無機系材料を用いたディスクが実用化された。反射率が低い状態から高い状態に遷移するためHTL(High To Low)タイプとも呼ばれる。
LTHでは生産しやすい有機系材料を利用し、生産コストを引き下げることができるようになったが、書き込み速度はHTLより遅く、保存時の劣化も起こりやすくなっている。2008年に規格化されたため、これ以前のドライブ製品はLTHタイプの読み書きに対応していない。販売されているメディアには「LTHタイプ」などの表示があり従来型と区別できるようになっている。
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 独立行政法人情報通信研究機構(NICT) 新世代ネットワーク推進フォーラム IPネットワークWG レジデンシャルICT SWG 戦略ビジョンタスクフォース「家庭生活に役立つホームネットワークの在るICT社会像の実現に向けた調査報告書」(PDFファイル)にて引用 (2011年11月)