コピーコントロールCD 【CCCD】 Copy Control CD
概要
コピーコントロールCD(CCCD)とは、音楽CD(CD-DA)の仕様を一部改変し、パソコンなどの機器でデータの抜き取りや複製を行いにくいよう加工した光学ディスク。2000年代前半に導入されたが数年で撤廃された。2000年前後にパソコンの高性能化やストレージ容量の増大などによって、音楽CDの内容をCD-ROMドライブを用いてハードディスクなどに読み出したり(リッピング)、CD-Rに複製することがが現実的に可能になった。
私的な複製は著作権法上も認められているが、この技術を悪用して普及し始めたインターネットを通じて著作者に無断で音源を公開・配布等したり、複製したCD-Rを他社に譲渡・販売するといった海賊行為が広まり、社会問題となった。
この問題に技術的に対処するために音楽産業側が導入したのがコピーコントロールCDで、実際には「SafeAudio」「key2audio」「Cactus Data Shield」「レーベルゲートCD」「セキュアCD」等の異なる複数の複製防止技術の総称である。
これらはCD規格に定められた誤り訂正符号を意図的に破壊しておくといった手法により、CDプレーヤーなどオーディオ機器では音声が再生されるが、コンピュータのCDドライブではデータを正しく読み出せない状態を作り出す。
米国では2001年、日本では2002年に初めてコピーコントロールCDの音楽商品が発売されたが、CD規格に違反するものを音楽CDとして販売することに消費者から反発の声が上がった。実用上も、パソコンと共通の読み取り機構を用いる一部のオーディオ製品では正しく再生されない問題があった。
意図的にエラーを引き起こすという仕組み上、音質の低下や装置の過負荷による動作不良を引き起こすといった指摘も相次いだ。日本ではほとんどのメーカーが2004年までに(最後まで残った東芝EMIは2006年)にコピーコントロールCDによる新譜の発売から撤退し、事実上の終焉を迎えた。
(2022.6.24更新)