DVD-Video

概要

DVD-Videoとは、DVDに動画データを記録するための技術仕様。動画と付随する音声や字幕を記録する形式を定めており、映像作品の販売などで用いられる。

動画圧縮方式としてMPEG-1あるいはMPEG-2を利用でき、最高で横720×縦480ピクセル、毎秒30fpsフレーム/秒)の動画をプログレッシブ方式あるいはインターレース方式で記録できる。アスペクト比縦横比)はアナログテレビ等の4:3とHD等の16:9を選択できる。

音声形式としては標準でPCMAC-3ドルビーデジタル)に対応し、オプションでDTSMP2(MPEG Audio Layer-2)が選択できるがプレーヤーによっては対応していないことがある。音質はCD相当のサンプリング周波数44.1kHz量子化16ビットに加え、仕様上は96kHz/24ビットまで対応する。

音声は同じ映像に対して原語版と吹き替え版、通常音声とオーディオコメンタリーのように複数系統を用意して切り替えて再生させることもできる。複数言語の字幕を用意して映像に重ね合わせて表示したり、複数の視点の映像を収録して切り替える(マルチアングル)といった機能もある。

一枚のディスクに複数のタイトルを収録でき、再生時にメニュー画面を表示して選択することができる。一つのタイトルは複数のチャプターで構成され、好きな場面から再生したり、チャプター単位で再生位置を任意に移動させることができる。

ディスクやプレーヤーには所属地域を指定する「リージョンコード」が割り当てられており、0~8の9つのコードに分かれ、1~6が世界の各地域、0は制限無し(リージョンフリー)、7は未定義、8は国際航路航空機内等となっている。ディスクが「0」以外の場合、ディスクとプレーヤーのコードが一致しなければ再生できない仕組みである。

DVD-Videoはディスク製造時にデータを記録するDVD-ROM記録媒体として、販売・レンタルされる映像ソフトの生産などのために用いられることが多い。DVDオーサリングソフトなどを用いてパソコンで内容を作成し、DVD-Rなどに記録することもできる。一方、ビデオレコーダーなどによる録画用途には「DVD-VR」(DVD Video Recording)が用いられることが多い。

(2022.7.1更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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