読み方 : ひにんぼうし

否認防止【nonrepudiation】否認不可

概要

否認防止とは、ある人物が行った行為について、後から「やっていない」「自分ではない」と否定できないようにすること。本人が確かにその行為を行ったと証明できる証拠を、改竄できない形で保持する仕組みや技術、およびそのための予防的措置を指す。
否認防止のイメージ画像

契約の締結や取引の実行、メッセージや指示の伝達といった行為に関して、当事者が後になって都合が悪くなり、事実を覆そうとする場合がある。否認防止は、こうした事態を未然に防ぐ措置で、誰が、いつ、何を行ったかを客観的に示せる状態を保つ。

情報セキュリティの分野では、機密性や完全性、可用性などと並ぶ重要な特性の一つとして位置付けられている。情報システムの利用や操作、データの送受信に関連して、特定の人物が確かにその行為を行ったことを事後的に証明できるようにする仕組みが求められる場面は多い。

技術的な実現手段としては、デジタル署名やタイムスタンプ、操作ログの保全などがある。デジタル署名は、送信者が自身の秘密鍵で生成した署名を受信者が検証することで、送信者本人による送信であることとデータが改竄されていないことを同時に証明できる。タイムスタンプは、ある時点でそのデータが確かに存在し、その内容であったことを第三者機関が証明する技術である。操作ログについては、管理者であっても削除や変更ができない領域に記録を残すことで、証拠としての信頼性を高めることができる。

否認防止が特に重要となるのは、電子契約や電子商取引、金融取引、医療記録の管理など、行為の事実関係が業務上または法的に重大な意味を持つ領域である。電子化されたビジネス環境において、取引の正当性や当事者間の信頼性を確保する上で欠かせない概念となっている。

(2026.6.23更新)
 

他の辞典等による「否認防止」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「否認防止」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
【平31春】 電子商取引において、注文した事実やその内容について否認されることを防止するために、取引の相手に実施を依頼することとして、最も適切なものはどれか。
▼ 基本情報技術者試験
【平31修1】 JIS Q 27000:2014(情報セキュリティマネジメントシステム-用語)において定義されている情報セキュリティの特性に関する記述のうち,否認防止の特性に関する記述はどれか。
▼ 情報セキュリティマネジメント試験
【平29秋】 JIS Q 27000:2014(情報セキュリティマネジメントシステム-用語)において定義されている情報セキュリティの特性に関する記述のうち,否認防止の特性に関する記述はどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。