フロントローディング 【front-loading】
概要
フロントローディング(front-loading)とは、前倒しの、前面挿入式の、という意味の英単語。プロジェクト管理や業務プロセスなどでは、序盤の工程に集中的に資源を投下して完成度を高め、後工程の負荷を軽減する手法を指す。特に工業製品の設計・開発などでよく用いられる考え方で、仕様策定や設計など初期の工程のうちに試作や量産など後工程で発生しそうな問題の検討や改善などにも前倒しで取り組むことで、品質の向上や工期の短縮などを推進する手法である。
仕様や設計の固まった後工程で問題が発覚すると前の工程からやり直さなければならなくなったり、調整や改善の余地が限られたりするため、初期の工程で後工程の事情を織り込んで集中的に作りこみを行うことで、その後の工程をスムーズに進めることができるとされる。
ただし、設計工程で検討すべき事項や作業負荷などは一般的なプロセスより増大するため、相応の体制や予算、人員、期間、各種のリソースを手当てしなければ過重な負担で設計チームが疲弊する「フロントヘビー」と呼ばれる状態に陥ることがある。
光学ディスク装置などのフロントローディング
CDやDVD、Blu-ray Discなど光学ディスクのドライブ装置に見られるディスクの挿入方式の一つで、機器の筐体前面(側面)から挿入する方式をフロントローディングということがある。装置の前面に細長いスリット状の挿入口があり、ここにディスクを差し込んで内部で固定することで読み書きを行う。
挿入口からトレイやキャディが前面にせり出し、これにディスクを入れて戻す「トレイローディング」あるいは「キャディローディング」と、スリット自体に直にディスクを挿入する「スロットローディング」がある。これに対し、機器の筐体上面にドライブ装置があり、蓋が開いて上からディスクを入れるタイプの装置を「トップローディング」(top-loading)という。
(2024.1.17更新)