OODAループ 【Observe Orient Decide Act loop】
概要
OODAループ(Observe Orient Decide Act loop)とは、適切な意思決定を下すための方法論の一つで、観察(Observe)、状況判断(Orient)、意思決定(Decide)、行動(Act)の4つの過程を循環的に繰り返す手法。最初の段階は「観察」(Observe)で、自身について、および自身を取り巻く外部環境(敵対者など)の現在の状況について評価や判断を下す前の生のデータを集める。次の段階は「状況判断」(Orient)で、観察で得られたデータを分析・統合し、現在の情勢を判断する。無意識に生じる認知の偏り(バイアス)を排除することが重視される。
次の「意思決定」(Decide)の段階では、現在の状況判断をもとに、目指す状態に近づくために最適な行動の選択肢を考え、最も適していると判断したものを選択する。この選択は最終的な結論というよりは一つの「仮説」であると理解される。最後の「実行」(Act)は意思決定で選択した仮説の検証・テストであると考えられ、そのもたらす結果を「観察」することから次のループが開始される。
OODAループは米空軍のジョン・ボイド(John Boyd)大佐が自身の空戦の経験をもとに考案した理論で、敵に対峙する戦闘機パイロットの意思決定手法として編み出された。ボイドは刻々と変化する戦場で戦いを有利に進めるため、観察に基づく仮説構築と検証のサイクルと高速で回すことにより相手方の意思決定を撹乱し、主導権を握ることを重視した。
(2021.5.11更新)