高可用性 【HA】 High Availability / ハイアベイラビリティ

概要

高可用性(HA)とは、可用性が高い状態のこと。システムが提供している機能やサービスが停止・中断する頻度や時間を極力少なく抑えた状態を指す。また、そのような対策を施したシステム(高可用性システム)やシステム構成(高可用性構成)を略して単に高可用性ということもある。

可用性」(availabilityアベイラビリティ)は情報システムなどの性質の一つで、利用者から見て機能が利用可能な状態を維持し続ける能力を表す。「高可用性」とは漠然と可用性が高いことを指すわけではなく、構成要素の冗長化や複製などの措置を施し、一部が停止しても全体が停止しない状態になっている状態を指す。

狭義には、複数のコンピュータを束ねて一体的に運用し、あたかも一台のコンピュータであるかのように振る舞わせる「クラスタリング」(clustering)技術により、一台が停止しても全体が停止しないようにした状態(高可用性クラスタ)のことを指す。

広義には、機器やシステム冗長化多重化二重化)、データ複製や自動切り替えなどの技術全般を含む。同じシステムを二系統用意するホットスタンバイ構成やコールドスタンバイ構成、部品のホットスワップ化、データベースレプリケーションなどが該当し、これらを組み合わせて高可用性を実現する。

可用性と稼働率

可用性の指標としてはシステム稼働率がよく用いられる。これは稼働が期待される全時間に対する実際の稼働時間の割合で、高可用性システムの場合は24時間365日無停止で稼働し続ける前提で、意図しない停止時間の割合を算出する。

稼働率が99%なら、1年間につき平均で3日と15時間36分停止することを表す。システムの種類や用途などにもよるため一概に何%からが高可用性であるといった決まりはないが、企業向けに販売される高可用性対応をうたう製品などは99.99%(年間ダウンタイム52分34秒)や99.999%(同5分16秒)といった稼働率を想定したものがよく見られる。

(2024.3.28更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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